「MRC矯正」という言葉をご存知でしょうか。”MRC”とはMyofunctional Research Co.の略であり、小児矯正法の1つとして広く知られています。MRC矯正では、トレーナーと呼ばれる矯正装置を使用すると同時に、口周りの筋量をアップさせるためのトレーニングをおこない、乱れた歯並びを早期に整えられるようにする治療法です。そこで今回は、MRC矯正について詳しくご紹介していきましょう。
歯並びはなぜ悪くなるの?
歯並びの悪さは“遺伝”と考える人も少なくありませんが、歯並びが悪くなる原因の多くは、顎・頬・口唇・舌などの筋肉のバランスがなんらかの影響により崩れてしまったり、舌の位置が正しい場所にないことが原因となったりして、顎の発育に支障をきたし、歯並びが悪くなる(不正咬合)と考えられています。
筋肉の機能不戦によって歯並びは悪くなる
口呼吸や、逆嚥下、舌を歯の押し付けるなどの「癖」と言われている行為もまた、筋力が関係してきます。
▼口呼吸
通常ならば上顎側に舌がありますが、口呼吸をおこなうと舌が下顎におち、上顎の成長を妨げ、歯並びを悪くする原因となります。また、口から細菌やウイルスを直接取り込んでしまうリスクをともないます。
▼逆嚥下
食べ物を飲み込む行為を嚥下と言います。嚥下時に舌を前に突き出したり、口に力を入れて飲み込んだりする行為を逆嚥下と呼び、これらの行為は歯並びに影響を及ぼします。
▼舌の位置
舌で歯を押し出す癖がある場合や、舌を下顎側に落ちた状態でいると、歯並びだけではなく、口呼吸・逆嚥下の原因にもなりかねません。
▼癖
歯並びが悪くなる原因は筋力の他にも、以下の癖が該当します。
・指しゃぶり
・頬杖
・うつぶせ寝
・横向き寝
MRC矯正治療の内容
歯科矯正と言えば歯の表面にブラケットと呼ばれる矯正装置を装着し、ワイヤーを引っ張るチカラを利用して、歯を少しずつ移動させていきますが、MRC矯正ではトレーナーと呼ばれる着脱できるマウスピースのような矯正装置です。
また、トレーナーによる矯正と合わせ、口周りの筋力のトレーニング「アクティビティ」をおこない、ただ単に歯並びを整えるのではなく、歯並びが悪くなった原因から改善させていく矯正治療をおこないます。
MRC矯正をおこなうことで、口呼吸から鼻呼吸ができるようになったり、口が閉まるようになったり、正しい嚥下をおこなうことができるようになり、歯並びが悪くなる原因改善とともに、歯並びを矯正することが可能となります。
以上今回は、MRC矯正について詳しくご紹介して参りました。お子さまの年齢や歯並びの状況によっては、MRC矯正が受けられない場合もあるため、MRC矯正を受けることをお考えの際には把握しておきましょう。