「口を閉めたいのに、しっかりと閉まらない」、「前歯で食べ物を咬み切れない」などといった症状に不快を感じたり、コンプレックスを抱いたりしていませんか?そのような症状がある場合は、「開咬」と呼ばれる歯列不正かもしれません。そこで今回は、開咬について詳しくご紹介してまいりましょう。
開咬とはどのような状態なのか?
開咬は、上下の歯と歯が咬み合うことなく、空いた状態の歯並びを指します。開咬はオープンバイトとも呼ばれ、不正歯列の1つであります。
開咬になる原因は?
歯並びが悪くなる原因は大きくわけて、遺伝的要因と機能的要因の2つに分類されますが、開咬は機能的要因であると言われています。以下が開咬の原因と考えられています。
▼指しゃぶりの癖がある
▼舌癖
▼口呼吸
▼舌小帯が短い
開咬であることで支障はあるの?
開咬であることで、以下のような支障がでるリスクをともないます。
▼前歯で食べ物を咬み切れない
上下の前歯が咬み合っていないと、レタスやキャベツと言った薄い形状の食べ物を咬み切れないこともあります。
▼舌が前にでてしまいサ行、タ行が発音しづらい
上下の前歯が咬み合っていないと、舌が上下の歯の隙間から出てしまい、サ行タ行が上手く発音できない傾向にあります。
▼しゃべる時に上下の前歯の隙間から舌が出てしまう
舌が上下の前歯の隙間から出てしまう恐れもあり、口元が緩い印象を与えてしまいます。
▼食べ物を咬み砕く時にクチャクチャと音がでてしまう
口を閉じて食事ができないため、クチャクチャと音が出てしまいます。
▼口が開けっ放しとなってしまいドライマウスになるリスクがある
口を閉じることができないと乾燥してしまい、ドライマウスになるおそれもあります。また、口から細菌も侵入しやすくなり細菌感染のリスクも高まります。
▼口呼吸の原因になる
口呼吸を常にしている場合、唇の筋力の低下によって口腔内の筋肉がアンバランスとなり、開口になりやすいと言われています。
開咬の治療法は?
従来のブラケット矯正(ワイヤー矯正)では、開咬の矯正治療は難しいと言われていました。しかし、近年ではマウスピース矯正や、歯科矯正用アンカースクリュー、口腔機能療法(MFT)といった治療法が確立され、今まで以上に開咬の治療の質が向上していきました。
開咬は子どものころからの治療が望ましいとされており、成人の場合は矯正治療によって改善しても長期安定が難しく、口腔機能療法(MFT)を併用することが望ましいとされています。
以上今回は、開咬について詳しくご紹介して参りました。開咬は矯正治療のなかでも難しい症例の1つであります。しかし近年はマウスピース矯正や歯科矯正用アンカースクリュー、口腔機能療法(MFT)などの治療法が確立され、さらなる治療成果を期待できるようになりました。開咬の治療をお考えの際には、お気軽にご相談ください。