歯並びが悪いと歯周病になりやすいと言われていますが、矯正治療前にすでに歯周病であった場合には、歯周病の治療をおこない、ある程度症状が落ち着いた頃に矯正治療を開始することが一般的であります。しかし、長い期間を要する矯正治療中に、歯周病になってしまう恐れも否定できず、どのような歯周病治療がおこなわれるのか、疑問を抱く人も少なくありません。そこで今回は、矯正治療中の歯周病治療について詳しくご紹介してまいりましょう。
歯周病とは?
まずは、歯周病がどのような疾患であるのかおさらいしましょう。
歯周病は、歯を支える歯肉、歯槽骨、セメント質、歯根膜といった組織が炎症により、溶かされていく疾患であり、最終的に歯を支えきれなくなり、歯が抜け落ちてしまう恐れがあります。
矯正治療中に歯周病治療はおこなうの?
一般的な矯正治療法であるワイヤー矯正では、ブラケットと呼ばれる矯正装置を歯面に装着しているため、ブラケットが妨げとなり、歯ブラシの毛先が届かない部位がでてくることによって、磨き残しが目立つようになり、歯周病になりやすくなってしまいます。
またインビザラインでも同様に、磨き残しがあるまま、マウスピースを装着してしまうと、そこから細菌が増殖し、歯周病になるリスクがたかまってしまいます。
歯周病は、一昔前まで「不治の病」とまで呼ばれ、治療しないまま放置してしまった際には、歯を失いかねません。これらのことからも、矯正治療中であっても歯周病治療を怠ることは得策ではなく、矯正治療を中断せざるを得ないリスクをともないます。
矯正治療中に歯周病を予防するには?
矯正治療を円滑におこなうためにも、歯周病にならないように日頃のケアや予防処置を適切におこなわなければなりません。
▼日常のケア
毎食後に必ず、歯を磨きましょう。外出しているなどで食後の歯磨きができない場合には、うがいだけでも効果的です。また、歯ブラシだけではなく、細かいところまで毛先が届きやすいタフトブラシや、インビザライン矯正の場合には歯間ブラシ、デンタルフロスなども上手く活用しましょう。
▼歯科医院でのケア
歯科医院では、正しく歯磨きがおこなえるようにブラッシング指導や、インビザライン矯正の場合には、専用の機器を使用して歯のクリーニングをおこなうことが可能です。歯面には、歯みがきでは落としきれない歯の汚れを落とすことができるので、歯周病はもちろんのこと、虫歯リスクも抑えることができます。
以上今回は、矯正治療中の歯周病治療について詳しくご紹介してまいりました。矯正治療中に歯周病治療が必要となった際には、矯正治療をやむを得ず中断しなくてはいけなくなる可能性もあるため、細やかなケアが必要となります。矯正治療中は、日頃のケアとともに、歯科医院で受かられるケアを受けながら、矯正治療を成功させましょう。